
「炭鉄港」日本遺産や北海道遺産に
登録された日本最北のレンガ工場
元野幌にある創業80年余の米澤煉瓦は、今もその伝統と技術を受け継ぎ、レンガづくりを行っています。1960年代に生産の自動化を行い、通年操業を開始。寒さの厳しい地域で通年操業を実現した点で、当時は海外からも注目を集めました。
創業時に4万枚のレンガを用いて建設された煙突は、米澤煉瓦のシンボル的存在。壁や作業道もレンガ色の敷地内には、多様なニーズに合わせて焼いたレンガがずらりと並んで、独特の赤い景色をつくっています。この赤色は、野幌の土に豊富に含まれる鉄分が焼けて発色したものです。
工場内には重たいレンガをスムーズに移動させるためのレールが網の目のように張り巡らされており、1250℃前後の窯で50〜60時間かけて焼かれたレンガが、厳しい検品を経てさまざまな現場に出荷されます。



私たちがつくる「江別のれんが」が北海道遺産に認定されているほか、江別市のレンガの歴史が日本遺産「炭鉄港」と密接に関係していることなどから、2024年には「米澤煉瓦工場」そのものが日本遺産の構成文化財となりました。
私たちの工場は基部を間近に見学することが可能で、江別市内の小中学校の社会体験の場としてもご協力させていただいております。つくり手の方も住まい手の方も、モノづくりの現場を直接体感することで、レンガのことをよりご理解いただけると思いますので、お気軽に工場見学へおいでください。



煉瓦の製造工程

①原材料
米澤煉瓦のレンガは特別色を除き、100%野幌産の原料を使用。
製造品によって粘土と山砂のブレンド比を変えて調合している

②混練
水分を一定にするために配合機で原料を一定配合し、ロールクラッシャー、スクリーンフィーダー、混水機を通して原料を安定させる

③成型
真空土練機を使って原料の空気をすべて抜き取る。
空気を抜いた原料を押し出し、一つひとつピアノ線でカットして成型する

④乾燥
20〜30日かけて水分を飛ばす。
レンガの製造過程で一番時間のかかる工程

⑤窯積み
窯の中ではレンガが高温になり、焼きしまりが起こる。
そのため、正確に火がよく当たり崩れないように丁寧に積み込む。
レンガの色を左右する大切な工程でもある

⑥焼成
最終的な色は焼成により決まる。
焼き時間、窯内の空気量、積み込み量、燃料の量などを調整して酸化、中性、還元と焼き分けて発色を変える

⑦出荷
一つひとつ焼き上がった製品を型・寸法・色などで選別して梱包してパレット積みで出荷を待つ