古い時代「木・石・土」が人類の三大建築資材だった時代、土を天日や火で固めて出来たレンガによって文明をいっきに推し進めた古代都市がありました。
人類はレンガを手に入れる事によって初めて文明をもたらしました。
世界遺産にも指定されている万里の長城は全長6000kmにもなりレンガを一つひとつ手で積み上げられ「月から見える唯一の建造物」と言われています。
国産初の赤レンガは1857年(安政4年)に起工された長崎飽ノ浦鎔鉄所建設のためにオランダ人海軍機関将校ハー・ハルデスの指示で地元の瓦屋が焼きました。この長崎鎔鉄所はわが国初の西洋式の工場建築で、れんが造の外壁や洋風トラス(屋根の小屋組を構成する三角形の骨組)の導入など近代建築史上に残る著名な建築です。
北海道は明治維新後になって本格的に人の手が入った新世界です。
1872年(明治5年)に開拓使によって函館湾岸に茂辺地煉瓦化石製造所を開設しました。
現在では北海道の窯業と言えば野幌と言われるほど道内の生産の80%を占めています。江別の窯業は明治23年頃に石狩川右岸で煉瓦石と呼ばれる製造工場設けられたのが始まりです。
戦後を通じ良質な粘土を産する野幌では大小多くの煉瓦工場が設立され「煉瓦の町 野幌」をつくって行きました。
多くの人の想いや願いを込めて次々に建てられたレンガ洋式建造物はまぎれもなく北海道の近代化を象徴するモチーフのひとつです。
そのどれもが北の大地に映え北海道民に親しまれてきました。
環境保護の観点から地球にやさしい素材やリサイクルに高い注目が集まっています。近年レンガは地球を汚さない、リサイクル可能な自然素材であることからさまざまなところで広く利用されています。